FILTR人類学講座:受講生の皆さんの声

「他者と関わる」には全国から200名を超える方々が来てくださっています(第3クールは海外からも!)。職業は、医療専門職、現役大学生、専業主婦、自衛官、包丁屋さん、メディア関係者、UXデザイナーなどなど本当に様々。

このポストでは、皆さんが寄せてくださった声の一部を紹介します。「他者と関わる」で提示した問いの数々がどのように皆さんに届いたのかをぜひお読みください。

人類学に初めてふれた皆さんの感想

この講座は入門講座なので、人類学なんて聞いたこともない、という方の受講を歓迎しています。大学に行っている必要ももちろんありません。

こちらは初めて人類学にふれた方の感想です。

集団の中でおきる支配関係が苦手で、集団を抜けるということを繰り返してきました。権力者の周りにいるイエスマンを軽蔑し、一方で、彼らのようにうまく立ち回れない自分は、単なる独りよがりの無能な人間じゃないか、と卑下する。 人間関係を上か下か、善か悪か、損か得かでしか捉えられず、そのパターンから抜け出せない。人に心を開けないのはなぜだろう?心を開くってどういうこと?? そんな時に磯野さんの講座に出会いました。

磯野さんが積み上げてきた時間の中から選び出された今回のテーマや言葉は、とてもタイムリーで、思いもしなかった角度からの社会や世界の見方を教えてもらえたことで、もつれていた思考や感情がスルリと解けていく不思議な体験をしました。 まるで、大人への通過儀礼を、ひとつやり終えた気分です。

あっという間の5回なのに、厚みがすごかった!!

講座の中では、磯野さんのふとした言葉が心をうち、涙がこぼれたことがありました。「あ、魂に触れた…」、そしてこれも、他者と関わることの一片なのではないかと。 そして最終回、言葉では説明できないけれど、「あ、探してきたのはこれじゃないか?」って。

この講座に出会ったことは、自分が「こうありたい」と願い、偶然に目の前を通り過ぎようとしていたTwitterの記事をつかんだからで、「なんだ、ちゃんと開いて生きてるではないか!」と思えたら、過去の自分と繋がり、今の自分に出会えた感触を掴むことができました。

新しい「始まり」をありがとうございます。 ありふれた言葉になっちゃいますが、、、 磯野さん、二宮さん、そしてクラスの皆さんに感謝を込めて。

第1クール・組織がちょっと苦手な受講生さん

生きる力がわいた。夕飯食べる元気が出た。明日の会議乗り切れる勇気をいただいた…初めて文化人類学に触れたのですが、こんなにも私たちの社会を映し出す学問であったことを知り、驚きました。(どちらかというと、特異な民族の文化を通して自らの社会を捉え直すといった印象がありました)磯野さん、特に今日は言葉を振り絞って紡ぎ出してくださって、本当にありがとうございました。

第2クール・上手く振る舞えるけど、それにもちょっと疲れちゃっているらしい受講生さん

人類学をもう一度

大学時代に人類学を受講していて、働き始めてからもう一度学び直したいと思って訪れてくださった方もいます。

 学生時代を振り返ると、演習ではだいたい決まった生徒が発言していて、でも聴いてみると皆色々考えていて、ということが多々あったように思います。それと比べると、今回は年齢も職業も社会経験も様々な人が参加しつつ、チャットの効果もあるかもしれませんが活発に意見が出ていて「参加して良かった楽しい!」感が凄いです。

 今日のまとめでもありましたが、他の意見を否定することなく、対話していくことにも通ずるような空間だと思います。そういう場では安心して話す雰囲気も生まれるので、問いが重なり気づきに繋がるなあと感じます。組織で働いていると、自分が段々と対立構造の罠にはまっていく恐怖を感じることがあります。論理的でスピーディな判断、行動を求められ、自分がそこに順応していってるんだなあと感じます。今回こちらに参加すること自体が、立ち止まって考える機会になっています。

第2クール・全てのレビューシートを一気読みすることを楽しみにしてくれていた受講生さん

受講生同士の応答

クール毎に曜日を問わず、レビューシート(感想の自由記述アンケート)を受講生に公開しているのですが、その中での応答が見られることもありました。

ここまで4回を終えて、「ああ学問ってこういうふうに世の中と関われるんだなあ」と感動しています。 そして、世の中や自分の周りのことを捉える視点や切り口をたくさん持っているほうが、やはり強く生きていけそうだなと思います(ここでいう「強さ」とは何か、でまた議論できそうですが)。 それに、一つの見方だけで世の中を捉えることの危険性を実感しています。何より、単純にいろいろな考え方や見方を知るのは楽しいなぁと。それこそ「他者と関わる」うえで大事な姿勢ですね。 次回でラストなのは名残惜しいですが、頭をフル回転させる準備をして木曜20時を迎えたいと思います!

第2クール・木曜日・大学では文化人類学ゼミに所属の会社員さん

木曜コースの方のレビューの中で見つけた言葉にありがとうが言いたくて。「世の中や自分の回りのことを捉える視点や切り口をたくさんもっているほうが強く生きていけそうだなと思います」 中学二年生の息子がいて、不登校で勉強を全くしない。勉強をする理由がわからないからしたくないというありきたりな理由。発達障害があり、こだわりがちょっと強くて納得できないと次に進めない。 何故勉強しなくてはならないのか。何故必要なのか。高校進学の為?将来の選択肢を増やすため?仕事をしてお金を稼ぐため?色々考えて言ってはみるものの、どれもしっくりこなかったんですが、あの一文が私の脳ミソにささりました。 ありがとうございます。 そういうことなんです! どう言葉にしていいのか分からなかった思いが言葉になりました。 授業とは全然関係ないのですが、息子と一緒に学んでいく理由がハッキリしました。 この言葉に出会えたのも磯野さんのおかげです。 どうしても磯野さんと20代会社員さんにありがとうがいいたすぎて。

第2クール・水曜日・人類学初体験の受講生さん

パーソナルな人生の体験を共有くださった方

回が進む中で、受講生の方がご自身のとてもパーソナルなお話を共有くださることもあります。仕事を辞めて辛かったこと、大病を体験したこと、パートナーを亡くしたことをお話しくださる方。そういうことを求めているわけではないにもかかわらず、そのようなことが起こるのは不思議です。

クラスが始まる時の私は、摂食障害治療真っ只中で、症状は収まっても食べ物との関係性以上に人間関係の難しさを、実感し、悩んでいました。クラスを通じてこれまでの自分の生き方を振り返り、これからの生き方についての選択肢を得ることができたと思います。 文化人類学の知を用いると自分の周りの世界の輪郭が少し見えて、毎回感動していました。わかりやすくて、とても面白かったです。第1クール・看護師クラスが始まる時の私は、摂食障害治療真っ只中で、症状は収まっても食べ物との関係性以上に人間関係の難しさを、実感し、悩んでいました。クラスを通じてこれまでの自分の生き方を振り返り、これからの生き方についての選択肢を得ることができたと思います。 文化人類学の知を用いると自分の周りの世界の輪郭が少し見えて、毎回感動していました。わかりやすくて、とても面白かったです。

第1クール・看護師

 わたしは何度か、この数年間を「地獄にいるようだ」と思いました。そしてそんなふうに思う自分を恥じ、否定し、自分にそのように思わせたものを呪いました。一方ではそんなことなどなかったかのように、今までとはまったく違う自分を楽しんでいるようにふるまうことに腐心する時間も長くありました。今、他人事のように振り返ってみると、渦中にいるときは気づけなかったけれど、理不尽で、つらく長い時間だったと思います。ただ、そのような混乱ばかりの日々のなかに、あり得ないはずだった不可能領域を滑り落ちながらいくつかの光るものを見た記憶があります。『急に具合が悪くなる』と講座『他者と関わる』はそのなかでも最良のものです。そしてここに落ちなければそれらの光を見ることはなかったかもしれません。そんな光るものを拾いあつめて、修復できるものは修復して、力をつけて。まだここが一番の底かわからないけれど、底に踏み跡をきっちり残して立ち上がりたい。わたしの新しい「始まり」を紡ぎだしたい。

 最終回の講義はわたしにもう一つの気づきを与えてくれました。わたしはこの数年、迷い、間違い、錯乱し、果たすべき責任を投げ出し、不要な場面で他者を傷つけた。でも逃げなかった。本当は逃げられなかったというのが正確で、探しても逃げ道が見つからなかったのだけれど。ある一つのことを忘れたふりをして、自分さえごまかせば逃げることもできたと思う。そうしても誰も責めなかったと思う。だけどそれは選ばなかった。わたしは逃げることだけはしなかった。そのことに気づけたことががとても嬉しいです。 

 5回の講座、とても楽しく充実した時間でした。磯野さん、FILTR二宮さんありがとうございました。これからこの間に蒐めた磯野さんや宮野さんの著作のなかに、講座で紹介された文献のなかに、いろいろなものを探しに行こうと思います。ここで得た言葉をつかって、いろんな人と話してみようと思います。でもやっぱり講座が終わってしまったことをとても寂しくも思っています。

第2クール・この講座のためにわざわざMacを購入くださった受講生

胸がいっぱいで何をコメントして良いかわかりません。全ての回で気付きを与えてくださりありがとうございました。最後に「偶然を前にあなたが選べることは、私はどうありたいかでしかない」というお言葉がとても胸に刺さり、これからそれを道しるべに生きていきたいと思います。最終回の可能性(有)/不可能性(無)のお話では、そこに入ってしまった時にどう引き上がるかということが非常に印象に残りました

(中略)

この講座は、自分自身の今まで生きてきたこと、これから生きていくこと、周りのこと、様々なことを考えるヒントをくださいました。受講後は自分の中で1回立ち止まって俯瞰して見る壁(ネガティブ思考に追いやって狭いところに自分を閉じ込めることをやめさせる、一旦停止サイン)ができました。この偶然に感謝し、必ず引き上げて次につなげます。心からありがとうございました。幸せな木曜日でした。

第2クール・突然の交通事故でお父様をなくした経験のある受講生

医療・介護専門職の声

私の専門領域の関係で、医療・看護専門職の方も多く来てくださっています

人類学は、いつも自分の根っこを掘るような感覚で、医療者として看護観は?患者やご家族のためにできることは?看護管理者として、どのような看護教育をしなくては?そのためには、自分には何が必要なのか?いつも考えさせて下さいます。昨年、大学院で人類学の講義を受け、また今年もZoomで学ばせて頂けて本当に良かったです。 磯野先生、FILTRの方々、受講生の皆様に心から感謝申し上げます。

第1クール・看護師

「正しさ」ではなく構造で理解する、という考え方がとても腑に落ちた回でした。対立するグループや個人の主張が、なんとなく嚙み合っていないように感じたり、そもそも「対立」しているのだろうかと感じたりすることがあったのですが、背景が違うからなんだなと。例えば自分の目の前に怒っている人がいて、怒りを向けられているように見えても、実際には私自身に対して怒っているばかりではないのかもしれません。逆に、自分自身が何かに対して怒りや不安を感じても、その感情が何に対してなのか、どこからきているのかは、一度冷静に考えておいたほうがいいだろうと思いました。恐怖や不安は象徴化された物語に取り込まれやすいから、単純に怒りたいだけ、感情をぶつけたいだけ、なんて理由の人も、たくさんいそうです。相手が自分と違う主張をしているときに、なぜなのかという理由や背景を知ることは対話の糸口になりそうですが、それが感情の出所を探ることともつながっていくと、もはやカウンセラーの領域では、と思います。

第2クール・介護専門職

 (『急に具合が悪くなる』の)1~3便は疫学で数字を扱い創造それを同時に届ける医療者・研究者に一つのテーマを与えてくれている、少なくとも過去自分が見た中でそれを最も言語化されたものだと思っています。もう一度数字が作られて患者さんに届けられ、それを患者さんがそのように受け止め、治療が施されていくのか、一つ一つ丁寧な見直しと構造化をすることから自分は始めていこうと思います。
 最期に、素晴らしい5回にわたる講義をありがとうございました。

第2クール・医師

クラスの運営方法について

他者と関わるでは、私が一方向的に話すことはほとんどなく、問いを投げ、皆さんにチャットやブレイクアウトルーム で考えていただきながら進めています。このやり方についてもご意見をいただいています。

ディスカッションがよかったです。慣れていないのでとても緊張してましたが、日常ではお話することはきっとないであろう方々の意見を聞けて頭が揉み解されていく感覚が面白かったです。最終回ではメンバーの方々に優しいコメントをいだだけて、未来に向けて背中を押していただいた気がしました。

第1クール・看護師

参加して本当に良かったです (中略) 「他者と関わる」というテーマが、すごく良かったです。問いが普段あまり考えたことがないような内容で、同時に様々なバックグラウンドの参加者がいらっしゃったので、色々な視点でのお話を伺うことができました。 ブレイクアウトルームは凄く良かったです。もう少し時間があるとより理解が深まると思いますが、それでもバックグラウンドが多彩な方々とご一緒できる機会は貴重でした。また、チャットの自由な感じとそれを拾ってくださる磯野さんとのやりとりが本当に楽しかったので、あれは是非続けて欲しいです。 改善点として強いて言えば、自己紹介時間がもう少しあると良いかなあと思いました。もう少し皆様のことを知りたかったです。同じように、人数がもう少し少ないといろんな人の意見をもう少し聞けそうかなとも思いました。 

第1クール・医師

人類学には様々な立場があり「問いを届ける」という私のスタンスは、そのうちの一つであると理解しています。人類学に関心のある皆さん、人類学はあまり知られていませんがすでに多くの書籍が出版されています。この機会に手にとっていただければ嬉しいです。

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2020-12-05|タグ: ,
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