2月とシューレと宮野さん

2月は思い出深い月の一つだ。

私は2016年から「からだのシューレ」というワークショップを企画している。シューレをはじめたときのメンバーは、私とそれを手伝ってくれる林さんの2人だったけど、今はそこに管理栄養士の真美さん、プラスサイズモデルのなおさん、そして去年秋からはジャーナリストの水野さんが入ってくれ、5名での運営に変わっている。

気づけば来場者はのべ800名くらいになっていて、加えてオフィシャルサイトまでできちゃって、金沢では私が一度やったワークショップをベースに「自分たちでシューレをやってみる」人たちも現れてくれ、年月と継続はすごいものだと感じている。

2年前の2018年2月13日には、哲学者で友人の宮野真生子さんがシューレの講師に来てくれた。タイトルは「恋愛の哲学」。宮野さんはそれから5ヶ月後の7月に亡くなっている。

これについてはすでにこのブログでも書いているし、こちらのnoteにもまとめているので興味のある方はそちらを読んで欲しい。

シューレはかっちりした組織というよりは、コミュニティらしい集まりが何となくあればいいな、と思っている。なのでメンバーは絶対にイベント参加とか、1人何回イベントを企画するとか、そういう決まりはない。

そういえば去年、Twitterを順番で回そうということになり、各週の担当を決めてはみたものの、すでにあやふやになっている笑

が、なぜか宮野さんのイベントの時は、当時のメンバーであった、はやしさん、なおさん、真美さんのみんなが参加できていた。宮野さんとメンバーに多くの関わりがあったわけではないけれど、上記のイベントレポートを書いたのは真美さんで、懇親会のあと宮野さんと一緒に帰って行ったのはなおさんだった。それぞれのメンバーが少しだけど宮野さんと関わりを持ち、そのことをいまだに覚えてくれている。

今週の土曜日は、なおさんと長田杏奈さんの対談「BoddyをBuddyに」の日だ。長田さんは著書『美容は自尊心の筋トレ』などを通じて知っている人はすでに多いと思うけど、彼女も『急に具合が悪くなる』とそれとは切り離せない『ダイエット幻想』の二つを読んでくれている。その彼女が、私としては思い出深い2月にシューレに来てくれる。このことが私としてはとても嬉しい。

宮野真生子という人物の身体はもうない。でも彼女が関わったシューレはまだ続いていて、そこに彼女の言葉にふれた人たちが現れる。私にとって、それは何だか不思議なことだ。

この対談は、意識的に2月に設定されたわけではもちろんないし、宮野さんを振り返るとか、そういう企画でもない。

でも私はいち参加者として、ジェンダーや身体の問題に自分なりのやり方で向き合い格闘していた宮野さんのことを考えながら、2人の対談を聞くんだろうなあ、と思う。

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