21:『急に具合が悪くなる』が海を渡ります

3月19日に『急に具合が悪くなる』の韓国語版が発売されることになりました。

韓国語のタイトルは『偶然の疾病、必然の死――死を前にした哲学者が医療人類学者と交わした言葉』


カバー周りにはあるのはこんな言葉。

明日すぐ終わるかもしれない人生だけど
私は遠い先に向かって約束をしようと思います
私たち皆がそうであるように

そして、2名の方が推薦文を寄せてくださっています。一人目は、韓国で複数のベストセラーを書いた詩人のキム・ソヨンさん。

私は人々の対話がどれだけ真実足りうるかをいつも知りたかった。誰に接しても、何を見ても、何を読んでも、何か物足りなさが残った。人間に対する期待がとても大きかったせいもある。

宮野真生子と磯野真穂の思慮深さは、私が漠然と抱いた期待をはるかに飛び越
えた。かれらが向かい合って投げたボールは生と死を横切る中で行われたが、その球は永遠に落下するはずのない広大な弧を描く。

かれらの対話を通過しながら私が見た景色を、早く私の大切な友達と共有したいという渴望がこみ上げてくる。具体的に誰かを思い浮かべながら必ず読んでみることを勧めたいと思っていたが、その誰かがますます増えていき、あまりにも多くなってここに書き留める。

人間はこれだけの真実の対話ができる存在だと。それを忘れないようにと。

――キム·ソヨン(詩人)

二人目は、健康になる権利を超え、病気の体でもちゃんと生きられる世の中にするべきだという疾病権なる概念を訴えた、チョハン・ジンヒさん


我々は病いが急に生を奪うものだと思っている。しかし病いは空気や日差しのように常に私たちのそばにあり、人類はまだ理解していない理由とスピードでそれぞれ人に到来する。


本書はがん患者になった哲学者と思慮深い医療人類学者の病いと生に対する鋭い洞察を具体的な日常の言葉で論じている。病いの偶然と必然、医療における選択、生と死、透明な挫折が込められた書簡を読んでいると、病いについての漠然とした恐れはアクチュアルな問いの中で変化し得るのであり、我々はこれまでと異なる方法で病いと関係を結ぶことができることを今一度知る。


健康に関する情報は豊富だが病いに対する思索は不足しているこの社会で、 この本とともに数多くの病む体が思惟する体になることを、ひいては病いが私たちの生を紛らわしたり乱したりすることができないことを多くの人々が目撃してほしい。

――チョハン·ジンヒ(社会団体活動家、『病気になっても申し訳ないと思いません』著者)

宮野さんとの書簡が海を越えるとは始めた時は思ってもいませんでした。それはとても嬉しいことですが、同時に日本語版が出版された時にも感じた、なぜ私でなく、宮野さんが死んだのだろうという、問うても答えの出るはずのない問いが、久しぶりに心をよぎっています。

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