
拙著『他者と生きる』をきっかけに、親鸞仏教センター研究員の田村晃徳さんから大変丁寧なお便りが届いた。
そのご縁で、去る4月7日、本センターで講演をさせて頂いている。
テーマは『他者と生きる』をベースに、リスク、病気、自己について。
この講演にあたっては、参加くださった皆さまが『他者と生きる』と『急に具合が悪くなる』を事前に読み、話を深めて下さっていた。
このような講演は共すると表層的に講演者を褒めたり、杓子定規な質問ばかりが出ることもある。
でも今回は全くそのようなことは一切なく、参加下さった皆様それぞれが、人生に根ざした含蓄のある意見や疑問を提示くださった。
当たり前と言えば当たり前だが、「お坊さんだって悩むよなあ」とお話に耳を傾け改めて実感した。(ご参加の皆さんは、半分くらいが僧侶だったとのこと)
誰かの死や、親しい人、あるいは自分の病気。
それらに出会うことで見えなくなる自分、見えるようになる自分がいる。
お坊さんはこういうことに対して答えを求められることが多いんだろうけど、そして答えることもある程度できるんだろうけど、自分にそれが降りかかってきたら戸惑い、悩んで苦しむ。
そりゃそうだよねえ。皆に降りかかる、でも決まった答えのない問題なんだから。
真剣に話を聞き、意見を投げかけてくださる皆さんの姿勢から、生きる上での大切なことを感じさせてもらった気がする。
そんな充実した3時間半でした。