食べること、社会の中で生きること@秋田市文化創造館

スタッフの方が用意くださったスペース

秋田公立美術大学大学院卒業生で、現在アーツセンター秋田のプログラムディレクターをされている藤本悠里子さんのコーディネートでワークショップを担当した。

対談のお相手は、キュレーターで、セラピストで、秋田公立美術大学ビジュアルアーツ専攻 教授の西原珉さん。

マダガスカルに宿泊した際、部屋にあったバナナを複数の猿に食べられ、ドアが開かないと思ったらゾウガメがふさいでいたという稀有な経験をお持ちの方でもある。

とにかく書ききれないくらいの経歴をお持ちの面白い方なので、関心を持った方は是非調べてみてほしい。

もくじ

ああフリーダム

今回の出張は、政府の旅行支援で宿も新幹線も満杯、まさかの秋田弾丸日帰り出張となった。しかもやっと取れたのは始発のみ。

朝6時から座れない人が複数出るという、景気がいいのか悪いのかなんだかよくわからない景色。

それに加え、隣に座った方が乗るなり、おこわのおにぎりと、ソースカツサンドをもぐもぐ食べはじめる。さまざまな芳しい香りが漂ったと思ったら、その後元気にいびきをかいて寝だすという、幸先いいのか悪いのかわからない形でスタート。

ああフリーダム。

ああ予算オーバー  

大音量のいびきは、ユーミンを聴きまくって乗り切り(ファンではなかったのだが、これでファンになった気もする…)、とりあえず無事に秋田到着。駅では、なまはげと秋田犬が盛大にわかりやすくお出迎え。

海のない県で生まれ育った私は、海がある県に行くとすぐに回転寿司に行きたくなる。海近くにある回転寿司は、長野のそれより数段美味しいのだ。

入った回転寿司が美味しすぎ、びっくりしながらパクパク食べ、勢い余って、あまり好きではない自負のある、しかもワークショップ中に食中毒の悪夢までよぎる、カキの寿司までオーダー。隣の姉さんが食べていたのがあまりに美味しそうで、今しかないと思って冒険に踏み出す。

やばい。このカキはうまい。カキってこんなに美味しかったのか。っていうか、カキって寿司のネタだったのか。

カキ好きかも。

とはいえ調子に乗りすぎた結果、高いお皿ばかりを積み上げる。

ああ予算オーバー。

食べること、社会の中で生きること

事前にいただいたテーマは、食べること、社会の中で生きること。

現地は結構な雨降りで、参加者の方がいらっしゃるかしらと少し心配していたのだが、一般の皆様から、地元の高校の調理科の生徒さんまで40名近くの方が集まってくださった。さらに、オーディエンスには、私と同じ人類学者の石倉敏明さんまでいてくださり心強い。

文化人類学の視点からどう食を語ることができるかをお話ししたあと、私がシンガポールと日本で実施した摂食障害のことを紹介。途中3回、参加者同士のディスカッションの時間を挟んだ。

休憩の時間に入ってもそのまま話している方もいるくらい、参加者の同士の話が盛り上がり、テーマを振った側としても大変助けられる。

また当初は、1️⃣私のレクチャー、2️⃣西原さんとの対談、3️⃣参加者とのワークショップの予定だったんだけど、そこをあえて崩してもらい、西原さんと対談しつつ、その中にワークショップを入れ込む形に変更。こちらも藤本さんと西原さんがスムーズに対応くださる。

参加していた方は覚えていると思うけど、西原さんのシュークリームのお話。あれは本当に胸にくるものがありました。シュークリームを食べるたびに思い出してしまいそう。

アートを専門にしている方とお話しさせてもらったのは初めてだったんだけど、人類学者と全然違うところ言葉を入れてくださるので会話が弾み、とてもいい刺激になった。

食べ物は人生を語る。

「限界集落」とかいうけれど

会場には藤本さんの後輩の方や、石倉さんの院生さんもいらしていて、地元の大学を修了したり、そこで働いている人がこうして集まり緩やかなコミュニティを作っているのはとても素敵な光景。

また会場もとても気持ちの良い空間だったのだが、実はここ、駐車場になってしまう予定があったらしく、それを秋田市企画財政部の斎藤一洋さんと秋田市民の尽力で、展示・イベントスペースとなったらしい。

一昨年お呼びいただいた福岡県の糸島芸農祭もこんな感じだったなぁ、としみじみ思う。

どこもかしこも人口減で、限界集落みたいなおどろおどろしい言葉も踊るけど、細かく見てゆくとこういう元気な場所もある。

絶望だけじゃないよね、と思った一日でした。

糸島芸農祭の作品「ひび」
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