株式会社アイデアファンドの大川内直子さんと登壇。文化人類学の修士号をとり、会社を起こし、本を出し、継続して会社を走らせ、家族を持つ。すごすぎる…。
大川内さんのような才知ある若い方が、活躍できる社会の未来はきっと明るい。そんなことを思った学会でした。ご著書もぜひ読んでみてください。
もくじ
「文化人類学者、“人類学とは何か”を問いすぎじゃね?」問題
もう一つ印象に残ったこと。
フロアから出た質問で、「今後の人類学のあり方はどうするべきか、といった課題をもらっているんだけど、お二人ならどう書きますか」という内容。
それに対して彼女が一言。
「人類学者ってそう言うことばかり問いすぎなんじゃないか。そんなことを考えてる時間があったら調査に行った方がいいと思う」(言葉のママでなく、磯野の意訳がかなり入ってます)
これは本当にそう。「私って誰?!」とか考えてる前に、やった方がいいことってあるよね。
そう言えば、私が去年コメンテーターを務めたシンポジウムのタイトルも「人類学とはなんでありうるのか」だった。
不安になると、「自分は何者か」と問いたくなる
でも他方で、少し引いた視線で見てみると、人がこう言うことを問い出す時って、自分たちの存在意義が感じられなくなったり、未来が怪しくなったりする時。
いま、「人間とは何か」みたいな問いも盛んに立てられているけど、それだって、人が人であることに自信がなくなっているからなのだろう。
だとすると、問いそのものの内容を考えるだけでなく、そういう問いが立ち上がる背景を考えても面白いはず。人類学者が我々は何者?と問い続けている状況はきっと、人類学者が不安だからなのだろう。
「大学→ビジネス」の大川内さんと、「大学→在野→大学」のルートを辿っている私との交差から、学びと問いの種をたくさんいただきました。
